
柳橋中央市場・円頓寺商店街と明道町 名古屋の台所と子供のパラダイス
2027年のリニア中央新幹線開通に向けて、再開発が進む名古屋駅前。名古屋駅桜通口を一歩出ると、巨大ビル群に囲まれる。しかし、そのビル群を通り抜けると、古くからの商都としての名古屋のディープな世界が待っている。近代都市とレトロな街の魅力を合わせ持つ、名古屋ならではの独特の空気感を感じてみよう。
柳橋中央市場、菓子問屋は写真撮影禁止の店も多い。両方とも観光地ではなく、ビジネスが行われている場所であることに注意。
名古屋駅前柳橋中央市場
柳橋中央市場は、1900年代初めに自然発生的にこの地に生まれた万物問屋が始まりとされる。市場全体でおよそ300店舗が軒を連ね、民間中央市場としては最大規模とも言われている。都市の中心部にこのような市場があるところも珍しい。
市場内店舗の基本的な営業時間は4時~10時ごろ。早い時間帯はプロが働く時間なので、観光客が訪れるなら8時以降が良い。遅く行くと片付けが始まる店もある。




愛知が面する伊勢湾、三河湾などから水揚げされたものの他、全国各地の鮮魚が並ぶ。

魚介類以外にも、野菜や肉、乾物など様々な店が軒を連ねる。



八百屋の「生ワサビ」のPOP。近年、外国人観光客も訪れるようになり、お店の方が外国人観光客にも喜んでもらえるようにと始めたそう。

マグロをさばく様子。刀のような包丁を使ってさばく。マグロの解体は、6時-7時台に行っている店もある。ショーではないので日によって時間は異なる。運がよければ見られるぐらいの気持ちでいくべき。

専門でうなぎを扱う店もある。職人ならでの、ウナギを高速でさばく様子も見られる。

天ぷら小島
市場内では、新鮮な魚や野菜を使った美味しい食事も楽しめる。
市場内には、この他にも、丼専門店やラーメン店などもある。

ソムリエの資格を持つ店長。揚げたての天ぷらとオススメのワインが頂ける。

こちらは、活あなご天定食にのるあなご天ぷら。定食にはご飯とお味噌汁がついてくる。市場から仕入れたものを使っているので、どれもリーゾナブル。

柳橋きたろう
すし屋の柳橋きたろうは、ネタの9割をこの市場で仕入れている。平日ランチのみ予約不可。
外国人用にネタの写真と名前が書いてある表が準備してある。(英語・中国語両表記)

ランチの「にぎり」(¥1,015)。他にも丼ものや、店長のおまかせにぎりなどがある。


四間道
この一帯は、1610年の名古屋城築城に伴い、それまでこの地方の中心地であった清須(名古屋から電車で約10分)から商人が移り住んだことにより形成された商人町である。
四間道は、路地裏も迷路のようで面白い。気の向くまま歩くと、面白いものが見つかるかもしれない。

およそ7m幅の通りには、東側に土蔵、西側には町屋が立ち並んでいる。現在のこの景観は、1740年頃に形成されたと言われている。

近年、これら歴史ある建物を利用した飲食店や雑貨店が次々とオープンし、お洒落な大人の街として注目を集めている。

浅間神社
創建は不詳だが、正保4年(1647年)に遷座したと言われる「浅間神社(せんげんじんじゃ)」がある。

境内の樹齢300年を越すクスノキやケヤキは、名古屋市の保存樹とされている。

神社内には、お稲荷さんも併設されている。

屋根神さま
四間道の路地裏に入ってみると、名古屋独特の「屋根神(やねがみ)」といわれる、屋根に社のついた建物が見られる。

子守地蔵尊
寛永7年(1630年)に作られたと言われる。路地にひっそりとたたずむ。


円頓寺商店街

円頓寺商店街は、一時はシャッター街となった商店街だが、現在はさまざまな取り組みで、活気を取り戻しつつある。愛知県民の好きな商店街ランキングでは、名古屋市の大須商店街に次いで2位となった。

秋に行われる円頓寺パリ祭。今年で3回目を迎える。
商店街は幹線道路をはさんで二つに分かれる。その両方の入り口に、個人の方が作られた織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、そして、水戸黄門(徳川光圀)の像が建っている。円頓寺商店街入り口の目印となっている。記念写真を撮っておきたいスポット。

織田信長像

豊臣秀吉像

徳川家康像

水戸光圀像
歌舞伎飴本舗
名古屋には江戸時代から飴の生産が盛んであった。宅地化が進むと共に多くの飴工場は名古屋以外に移転し、市内に残る飴工場は数少ない。歌舞伎飴本舗はその一つ。

漢字が読めない人には見ただけでは何かわからない、歌舞伎飴本舗の外観。中に工場がある。

カラフルで楽しい歌舞伎飴本舗の飴。工場の受付で直接購入できる。営業日は日・祝日と第二土曜日を除く毎日。8:30から18:00。

明道町(菓子・玩具問屋)
ここは、全国最大規模の駄菓子問屋街・新道(しんみち)、明道町(めいどうちょう)。江戸時代、下級武士らが手内職として、旅人に煎餅などの菓子を売り始めたことから、以後菓子の街として発展した。
現在も、この地域には沢山の製菓メーカーの本社や工場があり、この問屋街は重要な役割を果たしている。


中央菓子卸市場

戦後直後からの建物の雰囲気が今も残っている。卸売り価格で一般客も購入可能。




昔から名古屋を含む尾張地方では、めでたい席では「菓子まき」が盛んであった。今も、結婚式やお祭りなどで行われている。そのための専用の袋に入った菓子も売られている。

隅田神社(すみだじんじゃ)
菓子問屋の中にある神社。創祀は元禄初年(1688年)と言われ、安全祈願と疫病防止として、須佐之男大神(すさのおのおおかみ)、迦具土大神(かぐつちのおおかみ)が祭られている。一つの神社を一町内の氏子だけで守ることも、この神社の特徴。


玩具問屋

菓子だけでなく、玩具問屋も並ぶ。道沿いのフェンスにはお祭りのように、エアマスコットが飾ってある。


にぎやかな雰囲気の店内にも、ところ狭しと玩具が並ぶ。

昔ながらの剣玉やお面、キラキラしたアクセサリーや、おもちゃの銃など…種類も数も豊富にそろう。客のほとんどは露天商の方などプロだが、もちろん一般の方も購入可能。おもちゃに菓子に、まさにここは子どものパラダイスだ!
アクセス
<柳橋中央商店街>
名古屋駅(桜通口)→柳橋中央商店街 徒歩5分
<円頓寺商店街>
名古屋駅(桜通口)→円頓寺商店街 徒歩15分
地下鉄桜通線国際センター駅→円頓寺商店街 徒歩10分
<明道町>
名古屋駅(桜通口) →明道町 徒歩20分
名古屋駅(市バス9番乗り場)→「幹名駅1」系統「上飯田」or「大曽根」行き乗車、およそ10分「明道町」で下車すぐ
地下鉄桜通線国際センター駅→明道町 徒歩15分
地下鉄鶴舞線浅間町→明道町 徒歩10分
モデルルート
(所要時間:5時間)
名古屋駅→柳橋中央市場(散策・食事)→四間道→円頓寺商店街→明道町(問屋街、隅田神社散策・買い物)
(所要時間:4時間)
名古屋駅→柳橋中央市場(散策・食事)→明道町(問屋街、隅田神社散策・買い物)