刃物の町、関市は岐阜県中南部に位置し、鎌倉時代に誕生した刀鍛冶の伝統を受け継いでいる。戦国時代に「関の孫六」で知られる「二代目兼元」は、独特の鍛刀法(四方詰め)により頑丈な刀を作ることに成功した。その卓越した伝統技能が受け継がれ世界でも有名な刃物の産地として知られている。また、奈良時代から始められた鵜飼の町でもある。

関鍛冶伝承館

関鍛治伝承館

関鍛治伝承館は古来より関に伝わる刀鍛冶などの技を、映像・資料・展示で紹介するミュージアム。

開館時間:9:00~16:30 定休日:火曜日、祝日の翌日 入館料:大人200円、小人100円

関鍛冶伝承館

1階には、室町時代から現代にかけての刀剣展示室、関鍛冶の歴史資料、刀匠・刀剣技能師の実演場、映像紹介などがある。日本刀鍛錬や技能師による実演は10月の刃物まつりの期間中や、3,4,6,11月の第1日曜日に公開されている。

関鍛冶伝承館 関鍛冶伝承館

2階には近代刃物産業製品、ナイフコレクション、国内外のナイフ作家の作品が展示されている。

刃物会館 外観

岐阜県刃物会館

岐阜県刃物会館では2,000点を超える包丁、はさみ、ナイフ、爪切、模造刀、彫刻刀等を市価の2割引程度で販売している。

開館時間:9:00~17:00  定休日:年末年始

刃物会館販売場
世界のナイフ資料館展示物

ナイフ博物館

ナイフメーカーのガーバー・サカイが運営しているログハウス風の博物館で、世界30ヶ国の珍しいナイフ、貴重なナイフ約1500点 が集められている。販売所も併設されている。

営業時間:10:00~16:00  定休日:土曜日、日曜日、祝日 入館料:無料

刃物工場見学

関市にある多くの刃物工場で見学者を受け入れている。長谷川刃物ははさみ専門、フジタケは包丁専門、丸章工業はオールラウンドの刃物の職人工程を見学できる。

円空館

円空館

円空は、江戸時代前期の僧であり、仏師である。1632年、岐阜で生まれた円空は、近畿地方から北海道の各地を遊行し、独特な風采の円空仏を彫り続けた。64年間の生涯で12万体あまりの仏像を作ったと言われている。ここ円空館では、現在、全国5,000体があると言われる円空仏のうちの30体を展示している。

開館時間:9:00~16:30 休館日:月曜日、祝日の翌日、12/29~1/3 入館料:大人200円、中学生以下無料

円空館展示物(聖観世音菩薩像)

なかでも、144cmの高さの聖観世音菩薩は、明治26年の長良川の洪水の際に、漂流していたところを村人が発見したものであり、円空が47歳頃の作品と考えられている。

篠田桃紅美術空間

篠田桃紅美術空間

日本を代表する抽象画家・篠田桃紅は、「桃紅(とうこう)水墨」といわれる独自の作風で、海外でも高く評価されている。ここ篠田桃紅美術空間では、年2~3回、篠田桃紅作品のテーマ展示がされている。写真撮影は禁止。

開館時間:9:00~16:30
休館日:月曜日、祝日の翌日(10/12、11/23は開館)、入館料:大人300円、小人無料

なお岐阜現代美術館には、世界有数の篠田桃紅作品が展示されている。

関善光寺大仏

関善光寺(宗休寺)

江戸時代の創建で、天台宗の寺院。春の桜、秋の紅葉で有名であり、日本唯一の漆黒の地下空間を巡る卍戒壇巡りがある。

拝観時間:9:00~17:00

円空館展示物(聖観世音菩薩像)

1996年に落慶した八角堂には、1,200年前に鋳造された宝冠大日如来が鎮座している。

関善光寺大仏殿

また大仏殿には約250年前に千葉(東京の東)から移設された木造の大仏が鎮座している。

新長谷寺(しんちょうこくじ)吉田観音(きったかんのん)

新長谷寺三重塔

室町時代(1336~1573年)に創建された真言宗智山派の寺院で美濃の法隆寺といわれ、薬師堂、鎮守堂、三重塔、釈迦堂、阿弥陀堂及び太師堂など多くの文化財を有している。特に、三重塔は有名で何層にも積み重ねられた木材の構造になっており、匠の技に魅了される。総門より中の境内の写真撮影は禁止されているので注意が必要である。

小瀬の鵜飼会場

小瀬の鵜飼

奈良時代(7世紀)の美濃和鵜飼の伝統を受け継いでおり、例年5/11~10/15まで開催されている。

3人の鵜匠は、宮内庁の式部職(国家公務員)である。乗船予約:関遊船事務所、インターネット予約で乗船の5日前までに。

鵜匠の家 岩佐

鵜匠の家 岩佐

4代目の岩佐さんは、宮内庁の式部職のひとりである。鵜は、2月頃に羽毛が生え変わり最も美しい姿になるとのことである。ここでは、鵜と鵜匠の生活を垣間見ることができる。

弥勒寺遺跡群と弥勒寺

弥勒寺遺跡群

飛鳥時代(592~710年)にこの地の豪族であったムゲツ氏が、壬申の乱(672年)で功績を認められ、中央政府の援助を受けて建立した寺院跡を中心に、武儀郡の役所跡、祭祀場跡が発掘された。

円空入定塚

円空入定塚

円空は荒廃にまかせてあった池尻の白鳳時代の寺院跡である弥勒寺を訪れ、1689年にこの寺を再興。1695年7月に死期を悟って自ら入定したと伝えられる地が円空入定塚。

円空の墓

円空の墓

円空入定塚と少し離れた山の中腹に円空の墓がある。

うなぎのまち 関市

関のうなぎは、東海地方で一番おいしいという声が聞かれ、角丸、しげ吉、うなぎの名代辻屋、名代うなぎ孫六及びみよし亭などの専門店の他に、うな丼が食べられる店が多くある。

辻屋に飼われていたうなぎ 辻屋のうな丼

アクセス

(1)名鉄名古屋-新鵜沼-鵜沼-美濃太田-刃物会館前(名古屋鉄道、JR高山線、長良川鉄道利用)
所要時間:最速1時間31分 片道1,590円
(2)名古屋-岐阜-関シティターミナル(JR東海道本線、岐阜バス利用)
所要時間:最速1時間23分 片道1,150円

モデルコース

(1)名鉄名古屋(9:22)-刃物会館前(11:01)
刃物会館前駅→刃物会館→関鍛治伝承館→新長谷寺→関善光寺→篠田桃紅美術空間→関シティターミナル
関シティターミナル(15:40)-岐阜(16:29)-名古屋(16:58)

 (2)名鉄名古屋(9:22)-関(11:02)
関シティターミナル(デマンドタクシー利用)→円空館→弥勒寺遺跡群(デマンドタクシー利用)→関鍛冶伝承館→刃物会館→春日神社→関シティターミナル
関シティターミナル(15:40)-岐阜(16:29)-名古屋(16:58)

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