江戸時代のはじめ、有松は東海道の鳴海宿(なるみしゅく)と池鯉鮒宿(ちりゅうのしゅく)の間の茶屋集落であった。「宿」とは「宿場」とも呼ばれ、街道の拠点となったところである。最も重要な役割として、隣の宿場から運ばれてきた公用の荷物や通信物を次の宿場に運ぶ業務があった。

しかし、人々は茶屋だけで生計を立てるのが難しく、その副業として絞り染めを始めた。この絞り染めが旅人に人気を博し、「有松絞り」として今もこの地でその歴史を刻む。江戸時代の風情が感じられる町並みを、当時の旅人になった気分で歩いてみよう。

街道街並み

街道沿いの建物

天明4年(1784年)の大火の後、防火のため、瓦葺、塗籠造(ぬりごめづくり)、なまこ壁を取り入れた建物が造られた。愛知県指定文化財「服部邸(はっとりてい)」などが並ぶ街道が当時の面影を残す。

服部邸・街道1 服部邸・街道2
竹田邸外観1

竹田邸

有松絞りの開祖・竹田 庄九郎(たけだ しょうくろう)の家。江戸末期から明治期にかけての絞り問屋の特徴をよく残した建物である。旧東海道を代表する建物にひとつで、主屋のほか、書院、蔵3棟、茶室1棟からなり、建築学的にも貴重である。尾張藩の御用商人として繁栄した竹田家は、現在、その分家によって受け継がれている。竹田邸は名古屋市指定文化財として保護されている。

現在もこの竹田邸で商品の販売や展示会などが行われている。また、有松絞りまつりなどイベント時には無料で一般開放されている。

竹田邸はイベント以外でも、店の営業時に従業員の方に断れば、基本的に無料で見学可能(2015年10月現在)

竹田邸外観2  なまこ壁・むしこ窓 竹田邸庭
竹田邸茶室1 茶室からの眺め

竹田邸茶室

竹田邸の茶室。十四代将軍・徳川家茂が上洛した際に立ち寄ったと言われる茶室は、壁や柱などにその歴史を感じられる。

竹田邸茶室2 壁・柱・釜 竹田邸茶室3 床の間
絞会館外観

有松・鳴海絞会館

鳴海絞会館の見どころは絞りの実演。開館から閉館まで、職人が絞りの商品を作っている様子が見られる。それぞれの職人によって、得意な技法が異なるため、作品を比べてみるのも面白い。

有松・鳴海絞会館と有松山車会館の共通券は450円。時期によって、営業時間や休館日が異なる。

絞会館1階売り場1 浴衣・仕立て上がり

会館の1階では浴衣をはじめ、ハンカチなどの小物などの土産も販売している。

絞会館1階売り場2 浴衣・反物

浴衣や反物の売り場。

絞会館2階展示3 絞り道具紹介

2階では、有松絞りの種類や技法が、資料やVTR映像で紹介している。(入館料300円)

絞会館2階展示1 絞り製かぶと

絞りで作られた鎧兜。

絞会館2階展示2 絞り技法紹介

絞り技法の紹介。

体験1・糸巻き方見本

山上商店での有松絞り体験

絞り体験ができる山上商店(要事前予約)。ハンカチや手ぬぐい、ストールなどを染められる(¥1,000~・染めるもので異なる)。体験の所要時間は大体2時間程度。

今回挑戦したのは、有松を代表する柄の一つ、蜘蛛絞り。作る人、絞り方によって、出来上がりは異なる。色も好みのものを選ばせてくれる。世界でひとつだけのオリジナル作品を作ろう。

体験2・糸巻き終わり染色前

糸を巻き終わり染色する前。

体験3・染色途中

染色の途中。

体験4・糸外す

糸を外す。

体験5・完成

完成。

山上商店2 店内。店内。ニット。

こちらのお店では、商品の販売もしている。ハンカチなどは500円ぐらいから。

絞りデザインの洋服やストールなども充実。

山上商店1 店内。手ぬぐい、バックなど

最近では普段使いに取り入れられるよう、各店舗がお洒落なデザインの商品を作っている。

ダーシェンカ・蔵(くら)

ダーシェンカ外観

旧絞り問屋商家に残る蔵の中でオリジナル石窯を設置し、こだわりの石窯焼き手作りパンを焼く店「ダーシェンカ」。

引き戸を開けて、奥に進むと、パンの香ばしい香りが。

ダーシェンカ入口
ダーシェンカ店内ディスプレイ

ダーシェンカ店内のディスプレイ。ここのパンは天然酵母を利用していて、アレルギーなどにも対応したパンが作られている。

ダーシェンカテラス1

天気が良ければ、中庭のテラスで食べるのがオススメ。かぼちゃのベーグル、あんぱん、かぼちゃのスープ。

日本庭園風の造りの中庭は、街道沿いとはまた異なる、より静かな空間を味わえる。

有松しぼりまつり1

有松絞りまつり

6月(第一土日)に行われる有松絞りまつりは、例年約10万人が訪れ賑わいを見せる。

祭りでは、有松絞りをお得に購入できるほか、予約不要で絞り体験が気軽にできる。街並みと絞りが溶け込む様子が、当地ならではの雰囲気を醸し出す。

有松しぼりまつり2 有松しぼりまつり3
秋季大祭2

有松天満社秋季大祭

10月(第一日曜日)には秋季大祭が行われる。その日は町内で有する3台の山車(唐子車、布袋車、神功皇后車)の3台の山車が一堂に会し、男衆が引き回す迫力ある姿を見ることができる。3台の山車にはいずれもからくり人形が載せてあり、パフォーマンスも見ることができる。

秋季大祭1 秋季大祭3
Autumun Festival of Arimtsu

Autumun Festival in the street of Arimatsu. There are three historical 'Dashi' that demonstrate the performance of karakuri dolls. Only on the first Sunday of October every year.

Posted by Nagoya Guided Private Tours, Sightseeing and Experience
山車会館外観

有松山車会館

秋季大祭の山車について、詳しく教えてくれるのが「有松山車会館」(入館料200円)。毎年秋季大祭後に、町内の三台の山車の内の一台が交代で展示される。2016年の秋季大祭までは、神宮皇后車が飾られている。1階では、ビデオで祭りの様子を紹介している。2階では、祭りに関する資料の展示や山車を上から見ることができるようになっている。有松山車会館は土日祝日のみの営業。

山車会館入口

有松山車会館の入り口。

山車会館山車

保管されている山車。

山車会館1階展示

山車会館1階の展示。

山車会館2階展示

山車会館2階の展示。

ゲストハウスMADO外観

ゲストハウスMADO

この風情あふれる町並みに泊まることもできる。2015年8月にオープンしたばかりのゲストハウス「MADO」(1泊3,000円~)。

ゲストハウス MADO 内部

テーブルや座布団カバーはオーナー夫妻の手作り。畳で寝るなど日本文化に気軽に触れられると、海外からのお客様に人気。格子越しに見る街道の風景も格別。ランチ利用のみも可。

アクセス

名鉄名古屋駅→有松駅(名鉄名古屋本線利用:所要時間最速17分、片道350円)

モデルコース

(たっぷり1日コース:所要時間7時間)
名鉄名古屋駅発→名鉄有松駅→有松・鳴海絞会館→体験→ランチ→町並み散策→有松山車会館→お買い物→終了
(ショートコース:所要時間4時間)
名鉄名古屋駅発→名鉄有松駅→有松・鳴海絞会館→体験→散策→終了

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